リチウムイオン電池の基本用語集

リチウムイオン電池

本ページについて

 ここでは、リチウムイオン電池でよく使用する基本的な用語についての説明しています。詳細は別ページでまとめていますので、ここでは簡易的に概要だけ記載しています。

リチウムイオン電池

 リチウムイオン電池は、名称の通りリチウムイオンをやり取りすることで、充放電が繰り返し可能な二次電池。電圧を高く取れるため、高容量なのが特徴。

正極

 市販の乾電池で言うところのプラス極。カソードとも言われる。リチウム金属酸化物が一般的に使用される。リチウムイオンが脱離することで、充電状態になる。

負極

 市販の乾電池で言うところのマイナス極。アノードとも言われる。グラファイト(黒鉛)が一般的に使用される。リチウムイオンが挿入されることで、充電状態になる。

電解液

 電解液はリチウムイオンが正負極を移動するために必要な材料。通常はカーボネート系の溶媒に、電解塩としてLi塩が溶解している。添加剤が通常含まれる。液体の場合が多いが、ゲルの場合もある。

セパレーター

 セパレーターは電極間を物理的に遮断しつつ、電解液は透過する多孔質膜。短絡を防ぎ、電池の安全性を高めている。ポリエチレン、ポリプロピレンが一般的で、表面にセラミック層を持つ場合もある。

活物質

 正極や負極において、充放電を担っている材料。正極は酸化物系、負極はグラファイトやシリコンが一般的。材料によって容量や電圧が変わる。

バインダー

 バインダーは正極、負極に用いられる接着剤のこと。正極ではフッ素系のPVDF, 負極ではSBRが多い。

導電助剤

 正極や負極に含まれる、導電性を補助するための材料。カーボンブラック、カーボンナノチューブが用いられる。

サイクル寿命

 サイクル寿命は、充電と放電のサイクルを繰り返して評価した寿命。容量がどれだけ初期から保持されているかの指標。一般的に、使用温度や充放電の深度、充放電レート(電流量)などに依存する。

エネルギー密度

 エネルギー密度は、電池が持つエネルギー量を重量または体積で表現したもの。高いほど、小さな電池で大きなエネルギーを蓄えることが可能。単位はWh/kg, Wh/L。

充放電レート

 充放電時の電流量のこと。Cレートで表すことが多い。1C=1時間で完全放電できる電流値。

CC充電(放電)

 一定電流で充電(放電)を行うこと。CC = constant current。充放電の終点は別途、電圧で設定することが多い。

CCCV充電(放電)

 一定電流で充電(放電)して、所定電圧に到達後は、その電圧を保持するように、電流量を絞りながら充電(放電)する方法。 CCCV = constant current & constant voltage。終点は時間か電流量が多い。

平均電圧

 読んで字の通り、平均電圧のこと。容量平均(容量が半分になったときの電圧=SOC50%)の電圧とすることが多い。単セルだと3.6~3.7Vが多い。

カットオフ電圧

 充電時の上限電圧、放電時の下限電圧。

内部抵抗

 電池内部に存在する抵抗。この値が小さいほど、急速充放電には有利で、ジュール発熱も少ない。電子的な抵抗や、リチウムイオンの反応が伴う抵抗が一緒くたに含まれる。

自己放電

 使用していない状態でも、徐々に電圧が低下し、容量が減少していく現象。リチウムイオン電池は自己放電が少ない。

充放電効率

 充電された容量がどれだけ放電可能かの指標。クーロン効率とも。温度や充放電レートによって異なる。100%に近いほど、副反応などの劣化が少ない。

定格容量

 電池が保有する最大容量。初期容量で、低レート(0.2Cなど)で測定した値であることが多い。通常、アンペア時(Ah)またはミリアンペア時(mAh)で表される。

熱暴走

 電池内部で発生する連鎖的な熱の発生のこと。過充電や、内部短絡や、過熱をトリガーにし、材料の化学反応やジュール熱によって温度が上昇し続ける。最終的には、発煙、発火などに至る。

セル

 電池の別称で、特に最小単位の電池を指す(単セルとも)。円筒セル、ラミネートセル、角形セルなど色々な形状がある。

モジュール

 セルを複数組み合わせてユニット化したもの。直列ないしは並列に組んで、必要な電圧と容量を持たせている。最近は電気自動車でCTP設計が流行しており、省略される場合もある。

パック

 モジュールを更に組み合わせたもの。電気自動車や定置用の貯蔵システムなど大型のシステムではよく使われる。

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