【基礎】リチウムイオン電池とは(1)

リチウムイオン電池って何?

 スマートフォンやパソコン、最近では電気自動車にも使われているリチウムイオン電池ですが、改めて考えてみると、昔からある乾電池と何が違うのか分からない人も多いかと思います。まずは、リチウムイオン電池とは何なのか、説明していきます。

リチウムイオン電池は「二次電池」の一つ

 リチウムイオン電池は「二次電池」の一種です。二次電池というのは、簡単に言うと「充電して、繰り返し何度も使用できる電池」のことを言います。スマホをUSBケーブルに差して充電するのはもう日常的な光景ですよね。最近では、電気自動車用の充電スポットも駐車場で見かけることが増えてきたかと思います。リチウムイオン電池という名前も、より正確を期すために「リチウムイオン二次電池」と呼んだりします。

 一方で、充電することができない電池を「一次電池」と呼びます。代表的なのは単三サイズや単四サイズなどの乾電池で、マンガン電池とかアルカリ電池です。こういった一次電池は充電できるような材料が内部に使われていないので、何度も繰り返し使用することができません。

 ただし、充電ができたらリチウムイオン電池というわけでもありません。二次電池の中にもいくつか種類があって、他にはニカド電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池などが挙げられます。ここではそれぞれの詳細を説明しませんが、ニッケル水素電池はハイブリット自動車に使われていますし、鉛蓄電池も自動車の電装部品として使われています。

 ここまでの話から充電できるだけならば、リチウムイオン電池でなくてもいいのではないかと思われるかもしれません。それでは、何故、最近ではリチウムイオン電池の用途が増加しているのでしょうか?

リチウムイオン電池は「高容量」なのが特徴

 リチウムイオン電池の最大の特徴は、他の二次電池に比べて高容量な点にあります。どれくらい容量が高いかというと、電池内部に使われている材料の種類や電池設計によって変わるため、一概に比較は難しいのですが、ニッケル水素電池の1.5~2倍程度高いと考えてもらえればよいかと思います。

 どれだけ容量が異なるのか参考までに引用したのが下図です。これは各種二次電池の容量を示したものになります。体積エネルギー密度というのは、体積当たりにどれだけエネルギーを持っているか、重量エネルギー密度というのは、重量当たりにどれだけエネルギーを持っているのかを示しています。これらの指標が大きいほど、小さく軽くても大きなエネルギーを有している、つまり高容量ということになります。

https://webmagazine.nedo.go.jp/practical-realization/articles/201901toshiba/index.htmlから引用

 例えばスマートフォンにおいて、電池は重量としても体積としても大きなウエイトを占めています。ユーザー目線で考えた場合、できる限り軽くし、厚さも薄くするために、他の二次電池よりも、リチウムイオン電池が使われているという経緯があるわけです。

 では、次回は何故リチウムイオン電池の容量が高いのか解説します。

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