スマホやノートパソコンを使っていると、「なんだか最近バッテリーの減りが早いなぁ…」なんて感じたことありますよね?これには、リチウムイオン電池の“寿命”が大きく関係しています。そこで、今回は「 リチウムイオン電池の寿命がなぜ尽きるのか、そしてその寿命をどうやって延ばすのか」 を分かりやすく解説していきます!
🔋 リチウムイオン電池が寿命を迎える理由
まずはリチウムイオン電池が容量が減る理由についてからです。リチウムイオン電池が劣化する理由をざっくり説明していくと、「電池の中で化学的な変化が進んで性能が落ちていくから」となります。
でも、それじゃピンと来ないですよね。以下で、具体的に解説していきます!
1. 電極材料の劣化
リチウムイオン電池は「正極」と「負極」という二つが最も大事な材料です。これらが電池の容量を出しています。なので、ざっくり言うと、これらの材料が劣化すると、電池の性能が低下します。
- 正極の問題:
電池を使う(充電と放電を繰り返す)たびに、正極の結晶構造が少しずつ変化したり、金属成分が溶け出したりします。これが劣化の原因になってきます!
(例えば、スポンジが繰り返し使ううちにボロボロになるイメージが近いです) - 負極の問題:
負極は主にグラファイト(炭素)でできています。充電中に体積が膨張するため、繰り返すうちに細かいひび割れだったり、電池の中の電解液を分解したりするため、これも劣化を招きます。
2. 電解液の劣化
電解液は電池の中でリチウムイオンを動かす重要な役割を持っています。でも、高温や過充電が原因で分解されてしまうという欠点も抱えています。
そのため、電解液が劣化すると内部抵抗が増えていって、電池の容量が減ります。すなわち「電池の持ち」がどんどん悪くなります。
3. 界面反応の影響
電池の負極表面には「SEI層」と呼ばれる膜が作られます。これ、実は電池の安全性を保ったり、充放電するために非常に大切なんですが、不安定になると劣化を加速させる厄介者になってしまいます。
さらに、充電中にリチウム金属が析出すると、電池が短絡を起こしてしまうリスクもあります。
🌡️ 寿命に影響を与える3つの要因
続いてリチウムイオン電池の寿命を決める要因について見ていきましょう。リチウムイオン電池の寿命は、主に 「温度」「充放電の速度」「充放電の深さ」 によって左右されます!
1. 使用する温度
リチウムイオン電池は高温も低温もどちらも苦手です。
- 高温のダメージ:
例えば、夏の車内にスマホを放置しておくと、バッテリーが一気に劣化します!これは正極の劣化や、電解液の分解が進むためです。 - 低温のダメージ:
冬の寒い日、バッテリーが急激に減った経験ありませんか?これは、低温でリチウムイオンの動きが鈍くなる、つまり内部抵抗が高くなっているためです。
2. 充放電速度
リチウムイオン電池にとっては、充放電時の電流量も需要に関係しています。急速充電や急速放電は使用に便利ですが、電池に大きな負担をかけます。ゆっくり充電するほうが電池には優しくなります。
3. 充放電の深さ
- 満充電や深放電はNG!
リチウムイオン電池は充放電の深さ(深度と言います)によっても劣化の度合いが大きく変わってきます!100%まで充電する、0%まで使い切ると、電池にとって負荷が高くなって、寿命が持たなくなる要因になります。
✅リチウムイオン電池の寿命を延ばす3つのコツ
さて、ここからは、リチウムイオン電池を長持ちさせるために、実践できる簡単なコツをご紹介します!
1. 温度管理を徹底しよう!
- 高温を避ける:
夏場は直射日光を避けて涼しい場所に保管。充電中も熱がこもらないように気を付けましょう。 - 低温に注意:
冬場はスマホをポケットに入れて暖かく保つのがおすすめです。
2. 理想的な充電習慣を身につける
- 充電は20~80%の間が理想:
「常に100%充電しない」「0%まで使い切らない」を意識するだけで劣化スピードがグッと抑えられます。
3. 定期的にメンテナンス
- バッテリーの状態をチェックする習慣を!スマホなら設定から確認できます。
- また、電池の消耗を増やしているアプリやソフトを停止するのも大事です。
よくある質問(FAQ)
Q: 夜中ずっと充電しても大丈夫?
A: あまりおすすめしません!100%の状態が続くと、バッテリーに負担がかかります。
Q: 寒い環境でバッテリーを使うとどうなるの?
A: 寒さでリチウムイオンの動きが鈍くなり、性能が低下します。暖かい環境で使うようにしましょう。
まとめ: バッテリーを大切に使う心がけましょう
本記事では、リチウムイオン電池の寿命に関して解説してきました。リチウムイオン電池の寿命を延ばすには、 「温度管理」「理想的な充電」「メンテナンス」 がカギです!
これを実践するだけで、バッテリーの長寿命化が期待できます。もし電池の持ちに悩んでいたら、試してみてください。
「充電しながら動画を見ない」「使わないときは直射日光を避ける」など、ほんの少し意識を変えるだけで、スマホやノートパソコンがもっと長く活躍できます!
もう少し専門的なことについては、下記記事で解説していますので、こちらもどうぞ。
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