今回は、AIイラストでキャラクターの顔の向きを指定するプロンプトについて解説します!顔の向きを変えると、キャラクターの醸し出す雰囲気が変わってきますので、上手くコントロールすることは重要です。本記事では、正面をはじめ、横、上、下といった様々な顔の向きに対応するプロンプトを、具体的な生成画像と共に細かく解説していきます。
本記事では、ChatGPT(DALL E3)での画像生成例を載せています。具体的なやり方などにつきましては、下記記事にて紹介していますので、こちらもどうぞ。
1. 正面を向くプロンプト
使い方と効果
正面のプロンプトはオーソドックスなので、汎用的に様々な場面で使えます。少し真剣さを出すような意味合いも持たせられます。具体的には、ポートレート風のイラストや、SNS用のプロフィール画像などですね。
具体的なプロンプト事例と、実際の生成画像の例は下記の通りとなっています。
真正面を向いたプロンプト例
- プロンプト例:”Facing directly forward”, “looking straight into the camera”
- ポイント:正面(forward)や、カメラ(“camera”)を使うことで、真正面を向いた態勢にできます。
このように、視線をシンプルに指定することで、正面向きのキャラクターを生成できます。ただ、ここまで明確に指定せずとも、デフォルトで正面を向いている場合が結構多いかとは思います。
体は横向きで、顔が正面を向いているプロンプト例
- プロンプト例:”turning to the right, giving a direct gaze toward the camera”
- ポイント:体の向きと、視線を別々にしつつ、視線は正面(“direct gaze toward the camera”)としています。
少しトリッキーなので、通常の真正面の姿勢に対しては変化を持たせられて、印象的になります。呼び止めた場面なんか想定されます。
2. 横を向くプロンプト
使い方と効果
横顔は、少しミステリアスな印象を強調したい時に効果的です。横顔は表情が見えにくい分、キャラクターの内面を隠すような印象を与えたり、考え込んでいる様子を表現するのに良いですね。
ここでは、「横向きの視線」と「横向きの顔」のそれぞれについて、プロンプト例と実際の生成画像を紹介していきます。
横を向いた視線のプロンプト例
- プロンプト例:”Looking at another”, “looking away”, “glancing elesewhere”
- ポイント:いずれの例も視線を別方向に向ける、つまりカメラから視線を逸らすことで横向きの目線を得るプロンプトです。
ただ、このモデルでは実際にはそこまで効果が大きくなくて、若干目線がずれているかなといった程度です。そこで、もう少し視線をずらした例が下記です。
- プロンプト例:”gazing into the distance”
- ポイント:「遠くを見つめる」とすることで、視線をよりずらしています。
更に視線をずらしていったのが下記の事例です。
- プロンプト例:”looking to the right, gazing into the distance”
- ポイント:類似した意味のプロンプトを二重に重ねることで、目線の向きを強調しています。
顔が横を向いているプロンプト例
- プロンプト例:”turning her face to the right”
- ポイント:単純に顔を右に向けたプロンプトです。
このようにして右向きの画像が得られます。横向きにすることで、少し考えごとしているような印象が出てくるかなと思います。
- プロンプト例:”facing to the right, showing the left side of her face”
- ポイント:顔の左側(“showing left side”)を見せるように強調しています。
このようにすることで、完全な横向きの顔を得ることが可能です。なお、横顔のプロンプトについては、下記記事にてより詳しく解説しています。
3. 上を向くプロンプト
使い方と効果
上を向く仕草は、キャラクターにポジティブな印象を与えます。具体的なシーンとしては、空や星を見上げている場面などが良い活用例ですね。
ここでも同様に、「上向きの視線」と「上向きの顔」のそれぞれについて、プロンプト例と実際の生成画像を紹介していきましょう。
上を向いた視線のプロンプト例
- プロンプト例:”Looking slightly upwards”
- ポイント:わずかに(”slightly”)を入れて、視線のみ上向きとなるよう調整しています。
後述するようにslightlyを入れないと顔ごと上向きに変わるので、調整しています。他の向きもそうですが、モデルや画像の種類などによって、視線のずれ具合が変わると思いますので、この辺は逐次調整が必要な部分になります。
顔が上を向いているプロンプト例
- プロンプト例:”looking up”
- ポイント:見上げる、とした一般的な上向きのプロンプトです。
こうすることで上向きの顔となります。他のプロンプトでも同様になりますので、追加で2事例を下記に示します。
- プロンプト例:looking up the sky
- プロンプト例:looking upwards
4. 下を向くプロンプト
使い方と効果
下を向いているキャラクターは、内省的だったり、落ち着きや悲しみといった感情を表現したい時に適しています。俯いて考え込んでいるようなキャラクターを描く場合には良いかと思います。
同様に、「下向きの視線」と「下向きの顔」のそれぞれについて、プロンプト例と実際の生成画像をみていきましょう。
下を向いた視線のプロンプト例
- プロンプト例:”looking downwards”
- ポイント:先ほどの上向き(upwards)とは逆に、下向き(downwards)とした例です。
やや伏し目がちな印象で、大人しそうな雰囲気となってきます。
顔が下を向いているプロンプト例
- プロンプト例:”looking down”
- ポイント:単純に下を向いている、としたプロンプトです。
こうすると顔も下向きの画像が得られます。さらに下向きさ加減を強調したのが下記プロンプトです。
- プロンプト:”looking downwards with her head completely lowered “
ここまですると、恥ずかしがっていたり、躊躇しているような印象がより出せます。
5. 応用編:顔の向きと背景の組み合わせ
顔の向きに加えて、背景との組み合わせを工夫することで、キャラクターの感情や物語性をさらに引き出すことができます。ここでは、先ほど解説した顔の向きに合わせた背景の応用的な組み合わせをいくつかご紹介します。この辺を上手く組み合わせていくと、更に画像の印象を変えることが可能です。
横を向く + カフェの背景
横を向くキャラクターに、例えばカフェ店内の背景を組み合わせて生成したのが下記画像です。このようにストーリー性が生まれてきて、何を考えているのか、何を見ているのか、という想像力がかき立てられます。
上を向く + 広がる空や星空
上を向くキャラクターには、広がる空や星空などの背景が合います。実際に星空と合わせたのが下記画像となっています。ロマンチックであったり、感傷的な印象を持たせることが可能です。
ここでは背景の他に、更に画風もアレンジして作成しています。背景、画風に関しては、下記記事にて詳しく解説しています。
6. まとめ:顔の向きを変えて一層感情豊かに!
AIイラストでキャラクターの顔の向きを指定するプロンプトは、その印象や感情を表現する上で重要です。本記事では、正面、横、上、下の4つの顔の向きや、視線の向き(目線)に関するプロンプトを解説しました。それぞれの顔の向きが持つ特徴と効果を理解することで、より表情豊かで感情を引き出すキャラクターを生成できるようになります。
- 正面を向くプロンプト:正統派な印象。親しみやすい感じが出る。
- 横を向くプロンプト:ミステリアスだったり、クールな印象に。
- 上を向くプロンプト:自由さが表現できて、ポジティブな感じに。
- 下を向くプロンプト:落ち着いた感じが出せたり、あるいは内省的な表現にも。
本記事がAIイラスト作成の一助として役に立つと幸いです。
また、AIイラスト関係のプロンプト全般については下記記事にてまとめていますので、よろしければこちらもご覧ください。
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