ChatGPT 4でDALL-E3を用いて、AIイラストの生成を行っていると、全身像や立ち絵が生成されにくいことがあります。特に、特定のキャラクターの全身像を表示してくれず、プロンプトを無視して上半身だけの画像になったりする場合があります。そこで、今回は、全身像や立ち絵を生成するためにどう工夫すればよいのか、考え方とプロンプトの事例を紹介したいと思います。
ChatGPTでの画像生成全般に関しては、下記記事で解説していますので、良かったらご覧下さい。
全身像・立ち絵生成のための基本的なプロンプト
まずはキャラクターの全身を生成するための、オーソドックスなやり方について紹介していきます。下記例のいずれかのプロンプトを入力するのが、全身像や立ち絵を生成する基本になります。
基本的なプロンプトの例:
- 「~の全身像」
- 「full body shot」
- 「entire body」
- 「total body」
それでは、以下に、実際にChatGPTを使用して、画像生成した事例を紹介していきます。
基本例① 上手く全身像が生成される場合
下記は、「a girl, standing, full body shot」として作成したイラストになります。上手くいけば、このようにキャラクターの全身が含まれる立ち絵が生成されます。ここでは、つま先から頭の頂上まで、きちんと1枚の画像内に生成されていますね。
基本例② 上手く全身像が生成されない場合
次に上手くいかなかった事例を示します。これは、同様に「standing, full body shot」とした場合に生成された画像です。full bodyが無視されて、全身ではなく、上半身しか映っていません。
このように上手くいかない要因としては、この画像の元プロンプトにあると考えています。下記の通り、プロンプト中に「銀色の髪」、「青い目」、「髪が流れている」、「セーター」などといった上半身の情報量が大きく含まれています。そのため、これを元にして画像生成した場合、「full body」などの解像度の低い言葉が無視されやすく、画像に反映されにくいものと考えられます。
“A Japanese anime-style high school girl with silver hair. She has long, flowing silver hair and bright blue eyes. She wears a casual home outfit, consisting of a cozy sweater and skirt. Her expression is focused and thoughtful, typical of someone deeply engaged in creative work. The setting is not specified, so it will be a neutral background that emphasizes the character.”
全身像生成のための応用的なプロンプト
それではこれらを踏まえたうえで、次に応用的なプロンプトを説明していきます。前述の通り、「全身像」や「full body shot」は指示の具体性に欠けていますので、具体化を進めることで、全身像の生成確率を高めにいきます。
つまり、より明確な指示として「足元の解像度を高める」ことによって、上手く生成する確率が高まります。今回は具体例を3点挙げて、説明していきたいと思います。
応用例① 靴を指定する
まず、プロンプトとして「茶色のブーツを履いている全身像」、「白色のブーツを履いている全身像」とした画像が下記になります。このように靴を具体的に指示することによって、生成AIにとって足元の解像度が高まるため、靴を含んだ描写をしてくれるようになります。
応用例② 影を入れる
次に、プロンプトとして「~の全身像で、足元に影がある」として生成した画像が下記になります。こちらも先ほどと同様に影を含んだ形で、全身像を生成してくれています。
応用例③ 水たまりを入れる
最後に、プロンプトとして「~の全身像で、足元に水たまりがある」とした例を挙げます。これも同様に、全身像として画像生成できています。
ここまでやっても上手く生成できない場合は、「靴の状態をより具体化」や「靴の種類+影」などと組み合わせることによって解像度を上げていくなど、工夫すると成功確度が高まります。
まとめ:AIイラストではプロンプトの正確さが大事
今回は、DALL-E 3における全身像生成のコツをまとめてみました。ここまで見てきたように、全身像を生成するためには、プロンプトの正確さが非常に重要な役割を持っています。一方で、必ずしも全身像が生成されるようになるわけではなく、あくまで可能性を高める手段ですので、組み合わせるプロンプトによっては、より検討が必要となる場合もあるかと思います。
下記記事で、AIイラストのプロンプト関係をまとめています。よろしければ、こちらもどうぞ。
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