AIイラストのオリジナリティを高めるには?:プロンプトの工夫点を解説

今回は、AIイラストで「オリジナリティ」を高めるためのコツを紹介します。AIイラストを作る中で、「もっと独自の個性を出したい」と感じる方のために、オリジナリティを高めるためのプロンプトの工夫点をまとめました。本記事では、独自性を引き出すための具体例や編集テクニックも盛り込んで解説していますので、ぜひ参考にしてください。

この記事内では、ChatGPT (DALL E3)を用いた画像生成事例を挙げています。使い方などについては、下記記事にて紹介していますので、良かったらご覧ください。

目次

1. 独自のキャラクター設定を作り込む

AIイラストのオリジナリティを高める最初の一歩は、キャラクター設定にあります。ここでは、キャラクターの外見や性格に「自分らしさ」を詰め込む観点として3つを紹介していきます。

  • 髪型と色合い
    単なる黒髪や金髪とするのでなく、「顔にかかる長い前髪」「サイドに編み込み」など具体的なニュアンスを追加してみるとオリジナリティが増します。また、「青みがかった黒髪」「グラデーションのある金髪」「赤いメッシュの入った茶髪」など、配色によっても個性を高められます。
  • 服装と小物
    キャラクターの背景に合わせた衣装や小物も重要な要素です。例えば、「お気に入りの本を常に持ち歩く本好きの少女」や「描くときに必ず使うペイントブラシを持っているアーティスト」など、独自の持ち物を設定しましょう。
  • 特徴的な設定を加える
    他のキャラクターとは違う個性を出すため、「片方の目が三日月形」「夏の風景なのに長袖」など、特徴的な設定を加えるとオリジナリティが際立ちます。

プロンプト例

  • プロンプト: “An anime illustration of a girl with bluish-black hair, featuring red highlights, long asymmetrical bangs, wearing a silky, glossy black dress. She is standing deep in a forest, holding a glowing crystal in her hand. Her eyes are simple in design, with one eye featuring a crescent moon highlight, adding a mystical touch. The background is blurred to create a dreamlike, ethereal atmosphere, with watercolor textures enhancing the soft, fantasy-like ambiance.”
  • 説明:特に髪型に特徴を入れていて、「青みがかった黒髪」「前髪が長め」「赤いメッシュ」「アシメ」といった要素を組み込んでいます。更にシルクのような艶のある黒いワンピースを着て、光るクリスタルを握りしめるとして、小物にも特徴を持たせています。

実際にこのプロンプトをベースにして生成した画像が下記となります。一部プロンプト通りになっていませんが、髪型や小物の部分で独自性が出せているかと思います。

関連する部分である、「髪型」と「服装」に関しては下記記事にてまとめていますので、こちらもご覧ください。

2. 視点や構図を工夫する

構図や視点の工夫はAIイラストで独自性を出すポイントです。これらの観点を変えるだけで印象が大きく変わります。

  • 低いアングルから見上げる
    キャラクターを少し見上げる視点から描写し、「アオリ」構図とすると、存在感が増してインパクトのあるAIイラストに仕上がります。
  • 手元にフォーカス
    キャラクターが持っている小道具や指先を強調すると、ただの人物像とはまた異なる雰囲気が出せます。特に「指先で小さな時計を持つ」などの具体的なプロンプトがあると、印象が強まります。

プロンプト例

  • プロンプト: “An anime-style illustration of a girl holding a glowing pocket watch in her hand, looking up at the starry night sky. The perspective is from below her, creating a sense of awe as she gazes upwards. The scene has a dreamy and mystical feel, with subtle lighting from the pocket watch casting a soft glow on her face. The background showcases a vast, twinkling starry sky, adding a magical and contemplative atmosphere.”
  • 説明:「手元で光る懐中時計を持つ」として手元にフォーカスした構図としています。また視点として、星空を見上げた様子に対して、下から見上げたようなプロンプトとなっています。

このプロンプトにて実際に生成したのが下記画像です。こちらは手元の懐中時計に焦点を当てることで、インパクトある構図の観点でオリジナリティを高めています。

「アングル」や「視点」については下記記事にてまとめていますので、こちらもよろしければご覧ください。

3. 背景やシチュエーションで物語性を出す

背景やシチュエーションもキャラクターの個性を引き立てるための重要な要素です。物語性が伝わるようなシチュエーションや小道具の工夫を取り入れていきます。

  • シチュエーションの設定
    背景に特定の季節や時間帯、場所を適切に設定することで、リアリティを高めることが可能です。たとえば、「夕暮れの海辺」や「満月の夜の森」などが挙げられます。
  • 光の効果と影の使い方
    特定の光源を指定してシーンの雰囲気を演出するのもおすすめです。「月明かりが差し込む森」「木漏れ日の中に佇むキャラクター」といった光の効果で、幻想的で独自の雰囲気を演出できます。

プロンプト例

  • プロンプト: “A girl standing on a winter beach at dusk, illuminated by soft moonlight. The scene captures her from a distance, evoking an emotional, melancholic atmosphere. The evening sky is fading, with hints of twilight blending into the night. The calm, reflective sea and cool winter colors enhance the peaceful yet poignant ambiance, as the girl gazes out at the ocean”
  • 説明:「冬の海辺」、「月明かり」、「暮れていく空」といった背景のシチュエーションを指定しています。更に「遠景」気味にして、背景を映えるように組み込んでいます。

実際の生成画像は下記です。このように背景とシチュエーションの観点からも、独特の雰囲気を高めることが可能になります。

「背景」や「風景」に関しては下記記事にて解説していますので、こちらもどうぞご覧ください。

4. 配色と質感で仕上がりを高める

テーマカラーや質感に工夫を加えることでも、AIイラストの仕上がりや雰囲気が大きく変わります。特にテーマカラーや質感をプロンプトい指定していって、作品のトーンを整えましょう。

  • テーマカラーを統一する
    配色に統一感をもたせると、キャラクターがいる世界観にも統一感が出てきます。たとえば、寒色系でミステリアスな印象にしたり、暖色系で温かみを出したりすると効果的です。
  • 素材感の指定
    質感にも工夫を凝らしてみるのも良いです。「ベルベットのドレス」「ガラスのような瞳」など、素材感を細かく指定するとリアリティが増し、独自の存在感が出ます。

プロンプト例

  • プロンプト: “A dark anime-style illustration of a girl with silky, glossy black hair, wearing a velvet dress, standing in an even darker, more mysterious setting. Her pale, white skin contrasts sharply with the shadows and dark background, emphasizing her enigmatic elegance. She strikes a stylish, dramatic pose, with a piercing, intense gaze, as if glaring, adding a powerful, moody expression to her face. Cool-toned colors and deep shadows enhance the dark, intense atmosphere. The background is blurred, adding depth and drawing focus to her refined, sophisticated, and fierce appearance.”
  • 説明:「ミステリアスな寒色系の配色」「ベルベットのドレス」「シルクのように艶のある黒髪」「ダークな背景と肌のコントラスト」といった色味や素材感に関するプロンプトを入れています。

本プロンプトにて作成したイラストが下記となります。ダーク系での色合いで統一感を持たせることで、全体的な完成度を高めていきます。

5. ストーリー性あるプロンプトで差別化

キャラクターやシーンに物語性をもたせることによっても、他のイラストとの差別化を出すことができます。複数の要素を組み合わせ、ストーリー性を持たせてみましょう。

  • シーンの複合
    例えば、「雨に濡れた街の片隅で微笑む少女」や「花びらが舞う春の風景に立つ少年」など、キャラクターのシチュエーションと感情が伝わるようなシーンや場所の設定を行います。
  • 感情を強調
    「切なげに微笑む」「優しい視線で見つめる」など、キャラクターが持つ感情も具体的にプロンプトに取り入れてみましょう。表情とシーンの組み合わせで、より深いオリジナリティが引き出されます。

プロンプト例

  • プロンプト: “A pastel anime-style illustration of a girl with a wistful smile, surrounded by gently falling flower petals on a spring day. She is enveloped in soft, warm light, creating a tender and emotional atmosphere. The pastel colors enhance her serene and bittersweet expression, with a delicate and gentle ambiance that captures the beauty and tranquility of the moment.”
  • 説明:「花びらが舞う春の日」「柔らかな光に包まれている」でシーン設定を、「微笑む少女」で感情の設定をしています。更に、柔らかい雰囲気を強調するため「パステルカラー」な画風を盛り込んでいます。

実際に生成したのが下記画像となります。全体的に温かみのあるシーン、表情とすることで、イラスト全体のストーリー性を出せているかと思います。

関連するところとして、「画風」に関するプロンプトを下記にまとめていますので、こちらも参考にしていただければ幸いです。

6. 生成後のフィードバックと編集

生成したイラストを見直し、さらに独自性を高めるために後から編集するのも大事な工程です。編集による「フィードバック」を繰り返し試行錯誤を重ねて、より完成度の高い作品を目指しましょう。

  • 生成後のフィードバックループ
    AIで生成したイラストを何度か見直し、どの部分を強調したり変更したりするとさらに良くなるか考えます。たとえば、「背景がぼやけているので、明確化する」「髪の質感をもっと高める」など、編集機能を活用してプロンプトを追加調整します。
  • 画像編集ソフトでの微調整
    最後に、Photoshopや他の画像編集ソフトを使って光の加減を微調整したり、細かな質感を加えたりして、独自のイメージに仕上げるとさらに効果的です。

ChatGPTにおける画像の編集機能に関しては下記記事にてまとめています。

7. 組み合わせたプロンプトと編集による完成度を高める例

それでは、最後にここまでのプロンプトの組み合わせと、編集による完成度の高め方について、具体例を示していきましょう。まずは上記の全ての要素(キャラクター設定、構図、背景、小道具、配色、質感、ストーリー性)を入れ込んで独自性を高めたプロンプトを作成してきます。これらは仮に一つ一つはありふれた内容であっても、各要素を掛け合わせることによって、要素数分だけオリジナリティが高まります

プロンプト例:
Anime-style illustration of a long-haired girl at sunset on the beach, looking back over her shoulder. Delicate, line art, with a rough, subtle touch. Pastel color. The warm-colored sunset reflects on the sea, with her silky blonde hair with colorful gradation flowing in the wind. The viewpoint is from a low angle, capturing the sky above. Glowing butterflies are flying around her, and gentle waves are lapping at the shore.

このプロンプトを元にして画像生成していったのが下記イラストとなります。

このようにプロンプトを組み合わせることで、独自性のあるAIイラストが得られます。

続いて、この画像をChatGPTの編集機能によって、「追加指示」と「画像生成」を繰り返すことによって、完成度を高めていきます。何ターンか生成した一例が下記となります。

このように、「追加指示」を繰り返すことによって、更にオリジナリティや完成度を高めることが可能です。今回のブログ記事のアイキャッチについても、同様に「ポーズ」や「表情」などの観点から追加指示を行って生成したイラストとなっています。

「ポーズ」、「表情」については下記記事で解説していますので、よろしければこちらもご覧ください。

まとめ

本記事では、AIイラストのオリジナリティを高める方法について解説してきました。「キャラクター設定」「構図」「背景」「配色」「プロンプトの工夫」など、少しの工夫であっても、各種組み合わせることによってオリジナリティを生むことが可能です。

更に、生成したイラストを何度も見直し、編集を加えたり、プロンプトを微調整して試行錯誤することで、自分だけの作品に近づきます。いろいろなテクニックやプロンプトを試してみて、オリジナルなAIイラストを作っていきましょう。

また下記記事にて、AIイラストのプロンプトのまとめを行っていますので、よろしければこちらもどうぞご覧ください。

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