Luma AIが提供する動画生成AI「Dream Machine」が1.5にバージョンアップしました!本記事では、バージョンアップによってどのように変わったのかレビューしたいと思います。
Luma Dream Machineの基本的な使い方、導入方法などについては、下記記事で紹介しています。こちらもどうぞご覧ください。
Luma Dream Machine 1.5の概要
以前からアップデートが予告されていましたが、8/20についに最新の1.5へのバージョンアップがなされました!
公式のXのポスト内容からすると、「text-to-video」も「image-to-video」のいずれも品質が高くなっていて、広範にアップグレードしていることがうかがえます。確かに公式の動画を見る限りはかなりクォリティが高いですし、新しい機能である「text rendering」もきちんと動画に反映できているようです。
Luma Dream Machine 1.5の主な新機能
それでは、早速1.5にバージョンアップして変わった点について詳細を説明していきます。公式情報から、大きくは下記の4点が挙げられます。
- テキストプロンプトからの動画生成の進化(Text-to-Video)
1.5においては、テキスト入力からの動画生成がより高品質になっています。特に、指示したプロンプトに基づいて、より精細で、リアルな映像を生成が出来るようになっています。 - プロンプトへの理解力の向上
上記と重複する部分がありますが、AIがプロンプトを理解する能力が向上しています。以前よりも複雑なシーンの生成にも対応可能で、よりプロンプトに対して正確な動画を作ることができるようになっています。また動画の一貫性も高くなっている印象があります。 - テキストレンダリング (動画への文字入れ)機能の追加
1.5にて新たに追加された機能として、動画内へのテキストレンダリング機能(text rendering)があります。これは、指定した文字を動画として動かすことができる機能です。 - 画像からビデオへの生成能力の向上(Image-to-Video)
画像からの動画生成機能も改善されています。よりスムーズで自然な動画を生成することができ、より一貫性も高くなっています。
実際にDream Machine 1.5を用いて生成した事例
それでは、実際にバージョン1.5を使用して、生成した例を紹介してきます。
1. テキストプロンプトからの動画生成
まずは最も強調されている「テキストプロンプトからの動画生成(text-to-image)」について検証してきました。以前のバージョン1と比較するために、下記の記事で使ったプロンプトと同じものを用いています。
生成例①:東京の街を歩く女性
Soraでおなじみのプロンプトですが、以前のバージョンに比べると、品質は上がっているように感じます。濡れた路面の描写は高精細になっていて、リアリティがありますよね。
一方で、ディティールには難点があって、背後の通行人とかは途中で変身していたり、描写に少し怪しさを感じます。
生成例②:雪原の中のマンモスの群れ
こちらもSoraで用いられているプロンプトでの動画です。こちらについては、以前のバージョンと比較すると、より進歩が顕著ですね。マンモスのリアリティの高さもそうですが、背景の雪山や空の描写も綺麗です。
この動画に代表されるように、以前のLuma Dream Machineは画質や、全体的な光量の少なさから、暗い印象を受ける動画が生成されがちだったのですが、1.5ではそういった部分がかなり改善されています。
生成例③:アニメーション
続いてアニメ系の動画の改善状況を見ていきました。
下記はプロンプトとして、「Anime scene, girl is simply talking.」とした動画です。動きとしてはそれほどありませんが、生成されるキャラクターの品質としてはかなり高くなったように感じます。以前とは明らかにテイストが異なるので、恐らくはモデルの学習データがそもそも増加しているんじゃないでしょうか。ただ調べてみても、その辺についての言及を見かけないので、真偽のほどは分かりません。
2. テキストレンダリング機能を試した生成例
続いて、新たに搭載された機能である「テキストレンダリング」についても実際に試してみました。この機能は、入れたい文字列を”で囲ってプロンプトに組み込めば良いだけです。
以下は、プロンプト:「”Hello”の形になった水滴が窓ガラスに付着している」としたものです。上手く生成されないこともありますが、この例ではきちんと文字入れができています。
これも使い方次第では面白い機能だと思います。
生成速度について
生成速度に関しては、以前のバージョンと比較してそれほど変化はないように感じます。待機に回されなくても、1分以上は掛かっている印象です。
価格と利用プラン
Luma Dream Machine 1.5は、以前と同様に無料プラント、複数の有料プランがあります。ただ、以前よりも有料プランの選択肢が増えています。特に「Lite」プランはちょっとだけ生成したいが、無料枠だけだと不足する場合にはちょうど良いかもしれません。
- 無料プラン:1ヶ月に30本の生成が可能です。ただ商用利用できないですし、サーバーの負荷状況によって制限がかかることがあります。
- ライトプラン:月額$9.99(年払いの場合は月額$7.99)。40(+30)の動画生成が含まれます。これも商用利用は不可です。
- スタンダードプラン:月額$29.99(年払いの場合は月額$23.99)。120(+30)の動画生成が含まれます。これ以上のプランであれば、商用利用可です。
- プラスプラン:月額$64.99(年払いの場合は月額$51.99)。280生成(+30)の動画生成が含まれます。
- プロプラン:月額$99.99(年払いの場合は月額$79.99)。450(+30)の動画生成が含まれます。
- プレミアプラン:月額$499.99(年払いの場合は月額$399.99)、2,400(+30)の動画生成が含まれます。
まとめ:Luma Dream Machine 1.5で動画品質がさらに進化
本記事ではLuma Dream Machine 1.5について紹介しました。実際に試してみましたが、確かに全体的な品質は底上げされていて、プロンプトの解釈力も高まっているように感じます。画像生成AIもそうですが、生成AIの進歩はかなり速いですね。一方で、ディテールに甘さが見られるのは変わらないので、まだ改良の余地はありそうです。
また今回はimage-to-videoでの事例は検証できませんでしたが、いずれそちらも紹介していきたいと思います。
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