AIイラストにおいて、キャラクターの横顔の画像を生成するのは、繊細な感情やシーンの変化を表現する意味で特に有効な手段です。本記事では、オーソドックスな横顔のプロンプトをはじめ、応用例として角度・構図・シチュエーションごとのプロンプトを紹介し、キャラクターの横顔を魅力的に描き出す方法を解説していきたいと思います。
本記事ではChatGPTにて画像生成しています。詳しい導入方法ややり方の全体像を下記記事にてまとめていますので、よろしければご覧ください。
AIイラストで横顔を描くメリットは?
まず横顔からの画像によって得られる効果をまとめてみます。大きく3つの効果が得られるかと思います。
- 1. 感情の繊細な表現
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横顔は、キャラクターの微妙な感情を表現するのに適しています。場合によっては、正面からよりも感情のニュアンスを出せることもあります。
例:涙を一滴流す、何かを思案している様子など。
- 2. シルエットの強調
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横顔は、キャラクターの輪郭や髪型などのシルエットを際立たせるのに有用です。髪型の特徴や髪留めやピアスなどのアクセサリーについて、一目でわかりやすくなりますので、個性を強調したいときに使えます。
例:特徴的な髪型やアクセサリーがある場合。
- 3. 視線の方向の明示
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キャラクターの視線の方向を明確に示すことも当たり前ですが大事なポイントです。このキャラが何に注目していて、視線の先に何があるのかを示すことで、ストーリー性が出てきます。
一般的なキャラクターの横顔のプロンプト
それでは、一般的に使用できる横顔のプロンプトについて説明します。
- profile view:キャラクターの顔を横から見た視点
- side view:同上。
- profile angle:同上。
- profile portrait:キャラクターの顔を横から見た人物像。
- facing left/right:キャラクターが左または右を向いている姿を具体的に示している。
- looking to the side:キャラクターが横を見ている状況を具体的に示している。
これらのプロンプトのうち、どれであっても横顔が基本的には生成されます。ただし他のプロンプトとの相性もあるかと思いますので、思い通りの画像とならない場合は、これらを順に試してみてください。
具体的な横顔の生成事例
以下に、これらのプロンプトを用いて実際に生成したAIイラストを2例ほど挙げます。イメージの参考になれば幸いです。
①profile portraitを用いた生成画像
下記は”profile portrait“として生成した画像です。完全な真横ではないですが、キャラクターの表情は捉えられています。
②profile viewを用いた生成画像
下記は”in detailed profile view“として生成した画像です。こちらは完全な横向きとなっています。
②については、横顔以外にも更にスタイルや画風の変更も入れて、全体的に動的な印象を持たせています。スタイルの変更については下記で説明していますので、こちらもよろしければご覧ください。
横顔のプロンプトに関する応用例
続いて、応用編に移ります。一口に横顔と言っても色々とバリエーションがありますので、ここでは主に「角度」、「構図」、「シチュエーション」の観点から追加説明していきます。
1. 角度
キャラクターの横顔の角度を変えることで、イラストに多様な表現を加えることができます。以下に主要な角度の例を示します。
- 完全な横顔(90度)
- プロンプト例: “90-degree side profile”
- 説明: 完全に横顔からの角度とすることで、キャラ全体のシルエットや髪型をはっきりと示せます。
- 斜め前からの横顔(45度)
- プロンプト例: “45-degree side profile”
- 説明: キャラクターの顔の一部と横顔の両方を見せるため、表情の微細な変化を描写するのに適しています。
- 斜め後ろからの横顔(135度)
- プロンプト例: “135-degree side profile”
- 説明: 斜め後ろからの視点で、振り返る動作と組み合わせることで、ストーリー性を高められます。
角度の指定のみでは、必ずしも指定通りにいかないことも多く、別途プロンプトの調整や試行回数が必要になります。
2. 構図
構図についても、横顔と組み合わせることによって、イラストに動きや深みを与えることができます。以下にいくつかの構図の例を示します。
- 俯瞰視点の横顔
- プロンプト例: “side profile from a top-down angle”
- 説明: トップダウンアングルは、キャラクターが何かを見上げているシーンを強調可能です。
- 仰視視点の横顔
- プロンプト例: “side profile from a low angle”
- 説明: ローアングルからの視点は、キャラクターの優しさを表現したりするのに使えます。
- 遠近法を強調した横顔
- プロンプト例: “exaggerated perspective side profile, face close, body receding, reaching out her hand.”
- 説明: 遠近法を強調することで、キャラクターの動きを強調することができます。
3. シチュエーション
キャラクターの横顔を描く際には、そのシチュエーションも重要です。具体的には、「笑顔」、「悲しい表情」、「走っているシーン」などが挙げられます。
生成画像の事例
これらを組み合わせた生成事例についても紹介してきます。若干横顔としては怪しいものも含まれますが、参考までに合わせて紹介します。
プロンプト「side view」+「gently smiling」
横顔に対して、「優しい笑顔」を加えたものです。横顔というにはやや微妙ですが、体は横向きのまま、表情を変えることが可能です。
プロンプト「side view」+「A single tear rolls down」
横顔に対して、「涙が流れている」を加えたものです。こちらも同様に横向きにはなっており、涙が効果的に表現されているかと思います。
プロンプト「side view」+「running through a field」
こちらは「草原を走っている」を動作として加えて生成したものになります。合わせて風になびく髪とすることによって、走っている動きをより強調して出すことが可能です。
プロンプト「side view」+「gazing intently at the horizon」
こちらは「水平線を見つめている」をプロンプトとして加えています。こうすることで何かしらのストーリー性を想像させることが可能です。
プロンプト「side profile」+「from a low angle」
下記はローアングル構図を組み合わせて生成した画像です。単純に横顔のみとするよりも、表情に深みが出たりします。
横顔に関するプロンプトのまとめ
この記事では、AIイラストの横顔プロンプトについてまとめました。基本的なプロンプトに加えて、角度、構図、シチュエーションを工夫することで、表現としては幅が広がるものと思います。今回紹介した部分が画像生成時の役に立つと幸いです。
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