今回は、「写真の技法やカメラの特徴をプロンプトに使って、AIイラストをリアルに魅せる方法」について取り上げます。生成AIを用いてイラストを生成する際に、写真用語やカメラ機種の特徴を盛り込むことによって、イメージの完成度が大きくアップします。これらのテクニックを上手く使えば、まるでプロのカメラで撮影されたような表現も夢ではないかもしれません。それでは、実際の生成例も踏まえながら、各カテゴリについて解説していきましょう!
本記事では、Grok 2(FLUX.1)を用いた画像生成例を載せています。Grok 2の導入の仕方や、実際の使い方、生成事例などについては下記記事で紹介していますので、こちらもご覧ください。
📸 光と影の効果のプロンプト
最初に紹介するのは、光と影の効果です。写真で使われる光と影の技法は、イラストの雰囲気作りにとっても重要です。影の深みや光の強弱を調整するだけで、作品の印象がガラッと変わってきます。
それでは下記で具体的なプロンプト例と、実際に生成した画像について紹介していきましょう。
逆光(Backlighting)
- プロンプト例:「強い逆光でシルエットが浮かび上がる」, “strong backlighting, silhouette rising”
- 特徴:逆光を利用すると、被写体がシルエットになり、背景から浮かび上がる感じに仕上がります。ドラマチックなシーンにぴったりです。
サイドライティング(Side Lighting)
- プロンプト例:「サイドライティングで立体感を強調」, “side lighting, emphasizing 3D effect”
- 特徴:光を横から当てることで、被写体に立体感が出ます。陰影が際立ち、リアルな質感を強調できるのでおすすめです。
ローキー(Low Key)
- プロンプト例:「ローキーで陰影を強調したポートレート」, “low-key lighting, emphasizing shadows”
- 特徴:暗い部分を強調し、ミステリアスで落ち着いた雰囲気に。人物の写真やモノクロ写真に向いています。
ローライト(Low Light)
- プロンプト例:「ローライトでムーディな室内シーン」, “low-light, moody indoor scene”
- 特徴:暗い環境で撮影されたような、少し静かで落ち着いたシーンが表現できます。夜景や室内シーンで雰囲気を出したいときに効果的です。
🌈 色彩・質感の効果のプロンプト
続いて色や質感の効果についてです。これらの表現にこだわることで、画像に独自の風合いが加わってきます。写真特有の色味や質感を再現することによって、懐かしさや温かみがあるようなAIイラストとなりますね。
こちらも同様にプロンプト・生成例を示していきます。
フィルムグレイン(Film Grain)
- プロンプト例:「フィルムグレインを強調したレトロなポートレート」, “retro portrait with emphasized film grain”
- 特徴:フィルム写真特有のザラザラ感を再現したプロンプトです。ノスタルジックでクラシックな雰囲気があって、特徴的な印象を出せます。
モノクロ(Monochrome)
- プロンプト例:「モノクロで陰影を強調したポートレート」, “monochrome portrait with emphasized shadows”
- 特徴:モノクロにして色彩を除くことによって、陰影や質感が際立ってきます。シンプルで強いインパクトのある作品を作りたいときに良いですね。
クロスプロセス(Cross Processing)
- プロンプト例:「クロスプロセス効果のポートレート」, “cross-processing effect”
- 特徴:通常とは違う現像方法で、鮮やかな色彩と強いコントラストの個性的な仕上がりになります。
ポラロイド風(Polaroid Style)
- プロンプト例:「ポラロイド風でフレームのあるノスタルジックな雰囲気」, “Polaroid-style frame, nostalgic atmosphere”
- 特徴:ポラロイドカメラのフレームや色味を再現しており、懐かしさを感じるレトロな表現になっています。
🕒 動きと時間の表現のプロンプト
続いて、時間の経過や動きのある表現です。これらは、AIイラストに奥行きを与えてくれます。特にブレや軌跡を使って、ストーリー性のある表現が可能です。
シャッタースピード(Shutter Speed)
- プロンプト例:「シャッタースピードを遅くした夜景」, “with a slow shutter speed at night”
- 特徴:光や水、雲などの動きを滑らかに描写し、静かで幻想的なシーンを演出できます。
長時間露光(Long Exposure)
- プロンプト例:「長時間露光で夜空に星の軌跡を描く」, “long exposure of the night sky with star trails”
- 特徴:光の軌跡を捉えて、幻想的でダイナミックな表現が可能に。星空や車のライトの軌跡に最適です。
モーションブラー(Motion Blur)
- プロンプト例:「被写体の動きを表現するモーションブラー」, “Motion Blur”
- 特徴:動きを感じさせる効果で、ダイナミックなシーンを表現してくれます。スポーツや街のシーンで、スピード感を出したいときにおすすめです。
🔍 レンズと視点の効果のプロンプト
続いては、レンズの使い方や視点の調整です。これは、被写体を引き立たせたり、特定のエリアに視線を集中させるのに使えます。
ヴィネット効果(Vignette)
- プロンプト例:「ヴィネット効果で中央を強調した風景」,”Vignette effect”
- 特徴:画像の周辺部分を暗くすることで、視線が中央に集中し、主役が引き立ってきます。
フレア(Lens Flare)
- プロンプト例:「強い光源からのフレアが入る、夢のような雰囲気」,”with a flare, strong light source, dreamlike atmosphere”
- 特徴:光源からのフレア効果で、夢の中にいるようなシーンが実現します。ファンタジックな雰囲気を出したいときに有用です。
ズームレンズ効果(Zoom Lens Effect)
- プロンプト例:「ズームレンズ効果で遠くの被写体が大きく見えるように」, “Zoom Lens Effect”
- 特徴:ズームを使って、被写体を強調したり、周囲の風景を圧縮して迫力を出す効果が得られます。
📷 カメラ機種の観点のプロンプト
最後に、カメラ機種ごとの特性を活かしたプロンプトもご紹介します。カメラによって独自の色彩や質感があるので、特定のカメラで撮影されたような雰囲気を再現したいときに役立ちます。
Canon EOSシリーズ
- プロンプト例:「Canon EOS 5Dで撮影」,”Canon EOS 5D”
- 特徴:色再現性と細かいディテールが美しいCanon EOSシリーズは、ポートレートや風景写真で使うとピッタリです。
Nikon Dシリーズ
- プロンプト例:「Nikon D850で撮影」,”Nikon D850″
- 特徴:解像度が高く、細部まで鮮明に再現できるのが魅力。人物、自然風景の美しさを丁寧に表現できます。
Sony Alphaシリーズ
- プロンプト例:「Sony Alpha で撮影したような鮮明な夜景」, “clear night scene, Sony Alpha camera”
- 特徴:高感度で低照度でもノイズが少なく、夜景なんかにピッタリの表現が可能です。
Leica Mシリーズ
- プロンプト例:「Leica M10で撮影されたようなモノクロポートレート」, “Leica M10, monochrome portrait”
- 特徴:クラシックなデザインで、特にモノクロ写真に独特の深みを出せます。芸術的な写真に向いています。
下記は、プロンプトにモノクロを入れていない事例です。
まとめ:カメラのプロンプトで写真のようなAIイラストを作ろう
本記事では、写真用語やカメラの特徴を使ったプロンプトについて紹介してきました。このようなプロンプトを用いることで、AIイラストも実際のカメラで撮影したかのような質感に近づけることができます。光と影の効果や動きの表現、カメラ機種の特性などを活かすることで、より深みのある作品になってくるかと思います。
AIイラストでのプロンプトについては下記記事にてまとめていますので、こちらもご覧ください。
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