今回は、AIイラストにおけるアングル(カメラアングル)について取り上げます。アングル(カメラアングル)を変えるだけで、イラスト全体の印象やキャラクターのイメージを大きく変えることも可能です。この記事では、アングルに関する効果的なプロンプト例と、実際に生成した画像例と合わせて解説していきます。
本記事ではChatGPT(DALL E 3)を用いた画像生成例を挙げています。詳細については下記記事にて紹介していますので、よろしければこちらもどうぞ。
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1. アングルのプロンプトの基本:視点でキャラクターや背景が変わる
アングルとは、キャラクターや背景をどの位置から、どの角度で見るかを決める要素です。アングルを工夫することで、シーンに動きや臨場感を加えたり、キャラクターの感情や存在感を強調したりできます。
アングルの違いによって、生成画像の印象は大きく変わります。例えば、低い位置からキャラクターを見上げればそのキャラクターは威圧感や力強さを感じさせますし、逆に上から見下ろすとキャラクターが小さく、孤立しているように感じられるでしょう。
それでは以下で、代表的なアングルとそれに応じたプロンプトの例を紹介していきます。
2. アオリ(ローアングル)のプロンプト:力強さや威圧感を表現!
アオリ(ローアングル)は、下から上を見上げる視点です。キャラクターや物体を威圧的に見せたり、力強さを強調することができます。
下記で幾つかのパターンのプロンプト例と、実際の生成事例を示します。
- プロンプト:low angle shot
- ポイント:通常のローアングルショットです。「アオリ構図」などのプロンプトでも生成可能です。
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- プロンプト:”dramatic low-angle perspective”あるいは”etremely low-angle perspective”
- ポイント:よりローアングルとしたもの。単純なlow-angleでは、効果不足の際に使います。
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- プロンプト:”low-angle perspective, looking up at her against a bright blue sky with open clouds”
- ポイント:空をバックにしていることを明示することで、よりローアングルな画角とすることが可能です。屋内であれば、天井をプロンプトに入れると良いです。
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3. 俯瞰(ハイアングル)のプロンプト:シーン全体を見渡そう!
俯瞰(ハイアングル)とは、上から下を見下ろす視点です。シーン全体を把握するために使われ、キャラクターが小さく見えることで孤立感を表現したり、背景の広がりを強調できます。特に広がりのある風景やキャラクターの孤独感を強調したいときに便利です。
こちらもプロンプト例を見ていきましょう。
- プロンプト:”from a high-angle view”
- ポイント:一般的な俯瞰(ハイアングル)のプロンプトで、やや上から見下ろすような構図となります。
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- プロンプト:”with an aerial shot perspective”
- ポイント:エアリアルビュー(空撮)とすることによっても、俯瞰的な画像を得ることが可能です。
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- プロンプト:”from a high-angle view, above the girl with the ground visible below”
- ポイント:地面が見えることをプロンプト内に明示することで、よりハイアングルな画角とすることが可能です。
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下記は背景を地面ではなく、「浅瀬の海の上に座っている」(プロンプト:sitting on the surface of shallow ocean water, viewed from above)とした生成例。イラストに透明感も出てきますし、こういった感じで組み合わせることで、また違ったテイストが出てきます。
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4. アイレベルのプロンプト:自然で親しみやすい視点
アイレベルは、カメラが目の高さにある自然な視点です。このアングルは、観る者がキャラクターと同じ目線に立つことで、感情的なつながりを生み出しやすく、親しみやすい印象を与えます。
以下、プロンプトと生成したイラスト例です。
- プロンプト:”from eye level”
- ポイント:アイレベルのアングルとすることで、自然な目線の画像となります。
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5. 特殊なアングルのプロンプト:場面を印象を変えよう!
続いて、少し特殊なアングルのプロンプトについて説明していきます。
オーバー・ザ・ショルダー(肩越し視点)
オーバー・ザ・ショルダーは、キャラクターの肩越しに別のキャラクターや風景を映す視点になります。主に会話シーンで使われ、緊張感や感情のやり取りを強調するのに使えます。
- プロンプト:”An over-the-shoulder view emphasizing the expression of a character in conversation “
- ポイント:オーバーザショルダー(over-the-shoulder)に加えて、会話していることをプロンプトに入れると、意図通りの生成がしやすいです。
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魚眼レンズ
- プロンプト:”with a fisheye lens effect “
- ポイント:球面状に歪んだ、魚眼レンズ風の画像を生成できます。
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GoProのアングル
- プロンプト:”with a GoPro-style perspective “
- ポイント:GoProで撮影したような、躍動感を持った画像が生成できます。動きを持たせたいときに使えますね。
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自撮り風のアングル
- プロンプト:”with a selfie-style perspective “
- ポイント:スマホで自撮りしているようなアングルでの画像が得られます。
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ダッチアングル(傾いた視点)
ダッチアングルは、カメラが斜めに傾いている視点です。緊張感や不安定さを表現するために使われ、特に異常な状況や混乱した場面で効果的です。
- プロンプト:”A Dutch angle “
- ポイント:ダッチアングルによって、キャラクターが斜めな画像となります。下記の生成例においては、更にローアングルを組み合わせて、特徴を持たせています。
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6. クローズアップとワイドショットで印象的なシーンを作る
最後に、キャラクターに近い視点(クローズアップ)と、引き目の視点(ワイドショット)のプロンプトについて説明していきます。
クローズアップ(近接視点)
クローズアップは、特定の部分にフォーカスした視点で、キャラクターの感情や重要なディテールを強調します。キャラクターの表情や手元など、重要な部分を強調したいときに使います。
以下、プロンプトと画像例になります。
- プロンプト:”close-up of the girl’s face”
- ポイント:顔をクローズアップしたプロンプトです。更に目や、頬など、顔の部位をアップにするよう、プロンプト中に入れておくと、より効果的です。
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- プロンプト:”extreme close-up of the girl’s face”
- ポイント:更に顔をアップにするプロンプトです。かなりキャラクターに寄り気味の画像が得られます。
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ワイドショット(遠景視点)
ワイドショットは、シーン全体や複数のキャラクターを描く遠い視点で、背景の広がりやキャラクターの位置関係を表現します。
- プロンプト:”A wide shot of a character”
- ポイント:ワイドショットのプロンプトを用いると、キャラクター全体を捉えた引き目の画像となります。
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7. まとめ:アングルのプロンプトを駆使してAIイラストの魅力を引き出そう!
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本記事では、アングルに関する解説を行ってきました。アングルを活用することで、AIイラストはよりドラマチックで印象的になります。
低いアングルでキャラクターを大きく見せたり、高いアングルで広がる風景を描写したりすることで、シーンの伝え方が大きく変わります。またこれらの組み合わせによって、より印象的で独自なアングルを作ることも可能です。今回紹介した内容がAIイラスト作成のお役に立てると幸いです。
AIイラストのプロンプトをまとめ記事が下記となりますので、こちらも参考にして頂ければと思います。
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