今回はChatGPTを使ったプロンプトのコツについて焦点を当てていきます。AIから回答を貰っても、抽象的だったり、精度が低いと感じることもあるかと思います。本記事では、ChatGPTにプロンプトを与える際に、どうすればより良い結果を引き出せるのか、具体的な例を交えながら解説します。
ChatGPTプロンプトテンプレートの具体例
まず最初に結論になりますが、本記事の内容を元にした、ChatGPT用の具体的なプロンプトのテンプレートを作成しています。こちらは、下記の{ }内を埋めていくことで、希望のプロンプトを作成することが可能です。
#指示書
あなたは{役割や専門家の名前}です。以下の制約条件と入力文、補足内容をもとに、最適な回答を生成してください。
#制約条件
- スタイル/トーン: {例: 親しみやすく、専門用語を避ける}
- 文字数: {数字。例:500}文字以内
- 具体例の提供: {例: 実際の事例や専門家の意見を含める}
- 視点の指定: {例: 特定のバックグラウンドを持つ人物として}
- 用途:{例: ビジネス文書など}
#入力文
テーマは「{具体的なテーマ}」です。このテーマに関連する情報を、特に{焦点を当てる要素や観点}に注目して解説してください。加えて、以下の質問にも答えてください:
- このテーマが重要な理由は何ですか?
- 現在のトレンドや課題はどのようなものですか?
- 具体的な解決策や提案は何ですか?
#補足情報
- 関連するデータや文献の引用: {例: 最新の研究データや統計を含めてください}
- 対象読者の指定: {例: 中学生向け、ビジネスパーソン向けなど}
- 回答の書式: {例: 箇条書き}
このテンプレートは、ChatGPT以外にも、CopilotなどのChatGPTを搭載したモデルだけでなく、他の生成AI(Gemini, Claudeなど)でも使用できますので、よろしければご活用ください。
それでは、本題に移ります。以下で、プロンプトに関する詳しい解説を、基本から応用まで、20個の具体例を交えて説明していきます。
プロンプトの基本:何を伝えたいかを明確に!
まず最初に大切なのは、「具体的な指示と文脈を含める」ことです! 質問が漠然としていると、返ってくる答えも当たり障りのないものになってしまいます。では、例を見ていきましょう。
1. 具体的な指示と文脈を含める:
- プロンプト例:「量子コンピュータが暗号技術に与える影響について、メリットとリスクの双方を含めて500文字で説明してください。具体的な事例や専門家の意見も取り入れてください。」
このプロンプトでは、「500文字」「メリットとリスク」「事例や専門家の意見」など、はっきりとした要望を提示しています。これにより、ChatGPTは曖昧な内容ではなく、しっかりとした整然とした回答を返してくれやすくなります。
目的と期待するアウトプットをはっきり伝える
プロンプトで次に重要なのは、「何を得たいのか」をという目的やアウトプットを明確にすることです。例えば、レポートを書くための資料が必要なら、その内容を具体的に指定することがカギです。
2. 目的と期待するアウトプットを明確にする:
- プロンプト例:「ビジネスレポート用に、過去5年間のアジアにおける再生可能エネルギー市場の動向を箇条書きでまとめてください。特に主要国別の成長率と政府の政策に焦点を当ててください。」
このプロンプトは「ビジネスレポート」向けであることが明確であるため、レポート作成に必要なデータを効率的に得ることができます。「箇条書き指定」も、見やすいフォーマットで回答を得るためには重要なポイントです。
トーンや対象を指定して、思い通りのスタイルに
次に、トーンやスタイルを設定するのも効果的です。ChatGPTは様々なトーンや雰囲気に対してフレキシブルに対応可能なため、どのような雰囲気で話してほしいかも明記すると良いですね。
3. スタイル、トーン、対象読者を指定する:
- プロンプト例:「中学生にも理解できるように、ブラックホールの基本的な仕組みを、日常生活の例えを用いてわかりやすく説明してください。専門用語は避け、親しみやすいトーンでお願いします。」
このように指定すれば、ChatGPTは専門的な内容であっても、フレンドリーかつわかりやすい説明をしてくれます。教育の場面などで活用できるのではないでしょうか。
役割や視点を設定して専門性を強調
次に、特定の視点や役割を与える方法も有効です。これは深津式プロンプトとしても知られていて、特定の人物や役割の立ち位置から、より深い知識や専門的な回答を提供してくれます。
4. 役割や視点を詳細な背景と共に設定する:
- プロンプト例:「あなたは10年以上の経験を持つ栄養士です。運動不足でデスクワーク中心の30代男性に対し、健康的な食生活の改善プランを1週間分の食事メニューと共に提案してください。」
プロンプト内に「栄養士」のような専門的な知識を有する役割を持たせることによって、ただのアドバイス以上の、専門家らしいアプローチをもって回答してくれますね。
問題解決型のプロンプトで具体的なアドバイスを
続いての事例は、具体的な問題解決やアドバイスを求めるタイプのプロンプトです。モチベーション維持やスキル向上のアドバイスが特におすすめできます。
5. 具体的な問題解決やアドバイスを求める:
- プロンプト例:「英語を学ぶ際にモチベーションを維持するのが難しいです。効果的な学習方法とモチベーションを高めるための具体的な戦略を教えてください。」
このように質問することで、ChatGPTはモチベーションアップのための実践的なアドバイスを提供してくれます。
比較や対比を活用したプロンプトで深い理解を促す
比較や対比をうまく活用するのも効果的です。比べることによって、ChatGPTからより深い分析をもらうことが可能になります。
6. 特定の基準での比較や対比を要求する:
- プロンプト例:「電気自動車とハイブリッド車の環境への影響を、CO2排出量、エネルギー効率、製造コストの観点から比較してください。比較にあたっては、最新の統計データを用いてください。」
このようにプロンプト中で特定の観点からの比較を指定すると、ChatGPTはデータに基づいた各観点からの詳細な比較を行ってくれます。
ステップバイステップの指示でわかりやすい説明を
さらに、複雑なプロセスを理解するためには、ステップバイステップの説明が有効です。初心者向けのガイドを作ったりするときに便利ですね。
7. 詳細なステップバイステップの説明を求める:
- プロンプト例:「WordPressでブログサイトを開設するための手順を、初心者向けに詳しく説明してください。ドメイン取得から記事の投稿までカバーしてください。」
このようなプロンプトを作ることによって、ChatGPTは順を追ったわかりやすい手順を作成してくれます。
実例やケーススタディを含めることで具体性をアップ
更に具体的なケーススタディや実例を挙げてもらうようにプロンプトにて指示することによって、内容がよりリアルになったり、説得力が増します。
8. 具体的な事例やケーススタディの提供を求める:
- プロンプト例:「リモートワークの導入に成功した企業の具体的な事例を3つ挙げ、それぞれの成功要因と直面した課題について詳しく説明してください。」
このように実際の成功事例を挙げるようにプロンプトに盛り込むことによって、より理解しやすくて、説得力のある回答が得られます。
各場面で使える応用的なプロンプト12例
次に、さらに12個のプロンプト例を挙げます。これらのプロンプトは、指示したい内容に応じて使い分けることで有効に活用できます。
9. 最新の情報や最近の進展に焦点を当てる:
- プロンプト例:「人工知能の分野で2024年までに達成された主要なブレイクスルーについて、自然言語処理と機械学習の観点から説明してください。それぞれの技術がもたらす可能性も論じてください。」
このように最新の情報に絞ることによって、特定の技術動向にキャッチアップするような場面で使えます。また、この場合はブラウジングさせることも有効です。
10. 創造的なアウトプットを依頼する:
- プロンプト例:「近未来の東京を舞台にしたサスペンス風の短編小説を書いてください。主人公はハッカーで、物語には人工知能と社会的格差のテーマを含めてください。」
11. フォーマットや形式を指定して比較表にする:
- プロンプト例:「Python、Java、C++の主要な特徴を比較した表を作成してください。比較項目には、型付け、ガベージコレクション、主な用途、学習の難易度を含めてください。」
このようなプロンプトとすることで、指定した対象の比較表を作成することも可能です。
12. 批判的な分析や評価を求める:
- プロンプト例:「スマートフォン依存が若者の精神的健康に与える影響について、最新の研究データを引用しながら批判的に分析してください。対策についても提案してください。」
批判的な視点を持たせると、改善すべき点が通常よりも明確に出されるため、より高い文章の品質を高めたい場合などに有用な方法です。
13. 計画や戦略の策定を依頼する:
- プロンプト例:「中小企業がSNSマーケティングを活用してブランド認知度を向上させるための6か月間のマーケティングプランを作成してください。具体的な施策とKPIも含めてください。」
このように、ChatGPTに具体的な計画や戦略を求めるプロンプトを使うと、明確で実行可能なアクションプランを得られます。マーケティングやビジネス計画の立案時なんかに役立ちますね。
14. 仮想シナリオについての問いかけをする:
- プロンプト例:「もし月に持続可能な人類のコロニーを設立する場合、主要な課題は何であり、それらをどのように克服できますか?技術的、経済的、倫理的観点から考察してください。」
こうした仮想シナリオを用いたプロンプトは、クリエイティブな思考を深めるために特に有効です。ChatGPTに未来や仮想世界を考えさせると、意外と思ってもみない発想が得られたりもします。
15. 複雑な概念の定義や説明を求める:
- プロンプト例:「相対性理論の時間の遅れ現象について、電車と時計を使った例えを用いてわかりやすく説明してください。数式は使用しないでください。」
複雑な概念も、ChatGPTにわかりやすく説明させるためには、比喩や例えを指定するのが効果的です。特に難解な科学技術に関する用語では有用ですね。
16. 大きなテキストや概念の要約を依頼する:
- プロンプト例:「『エネルギーと文明』という本の主要なポイントを、エネルギー資源の歴史的な変遷とそれが社会に与えた影響に焦点を当てて要約してください。」
ChatGPTは文章の要約も得意です。特に、長いテキストを効率よくまとめたい場合に、このようなプロンプトを使うと便利です。
17. 翻訳や言語支援を求める:
- プロンプト例:「以下の日本語のビジネスメールを英語に翻訳してください。丁寧な表現と適切な敬語を維持してください。『お世話になっております。先日の会議資料を添付いたしますのでご確認ください。何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。』」
翻訳するのも、ChatGPTを使うと便利です。敬語やナチュラルな表現を指定すると、より自然で正確な翻訳が得られます。
18. 歴史的な分析や文脈の提供を求める:
- プロンプト例:「明治維新が日本の産業化に与えた影響について、経済的、社会的側面から詳しく説明してください。具体的な政策や出来事も含めてください。」
歴史的な話題に関する分析を依頼するのも有効な使い方です。特に、ChatGPTに具体的な出来事や政策を挙げさせることで、より深い分析が得られます。
19. 予測や将来のトレンド分析を求める:
- プロンプト例:「人工知能が今後20年間で労働市場に与える影響について、現在の技術進歩と経済動向を基に予測してください。職種別の影響も考察してください。」
トレンド分析を頼む場合、今後の予測に関する質問をしてみましょう。生成AIは技術の進展や経済動向を基に、未来の予測をすることも可能です。
20. 実用的なハウツーガイドの作成を依頼する:
- プロンプト例:「自宅の小さなスペースで始められる有機野菜の家庭菜園の作り方を、必要な道具、土壌の準備、種まきから収穫までの手順を含めて詳しく教えてください。」
具体的な手順が必要なハウツーガイドを求める場合には、このようにステップを明確に伝えると、実用的な答えが返ってきます。
まとめ:20個のプロンプトを使って、ChatGPTを最大限活用しよう!
今回の記事では、ChatGPTへのプロンプト例について、基本から応用的な事例まで、20個の具体例を紹介してきました。これらの具体例を参考にして、ChatGPTにもっとクリアで詳細な指示を与えることで、精度の高い情報や独自のアイデアを得ることができるようになります。
特にポイントとなるのは「具体性」「文脈」「期待するアウトプットを明確にする」という3つの要素になりますので、この部分について留意しながらプロンプト作成してみてください。
また、下記にプロンプトエンジニアに関する記事も作成しているので、よろしければこちらもどうぞ。
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