AIイラストの「タッチ」を変える!:ChatGPTでのプロンプト例

AIイラストにおいても、画像のタッチを変えることは可能です。本記事では、代表的な画材ごとに幾つかのタッチを紹介して、AIイラストで再現するようなプロンプトを紹介したいと思います。

本記事ではChatGPTの画像生成機能(DALL-E 3)を使用しています。具体的なやり方などは下記記事にまとめていますので、よろしければこちらもご覧ください。

目次

タッチと画風の違い

「タッチ」と似た言葉として「画風」があります。これらの違いは、簡単に言えば、「画風」は作品全体の視覚的なスタイルや方向性を表し、「タッチ」はそのスタイルを具現化するための技法などを指します。この二つは関連性が高く、強く結びついている場合もあります。

タッチとは?

タッチは、筆やその他の道具を使ってキャンバスや紙に描く具体的な技法を指します。「筆づかい」が日本語のニュアンスとしては近いですね。どちらかと言えば技術的な側面に焦点を当て、作品の質感や仕上がりに影響を与えるものになります。

たとえば、厚く塗り重ねたり、細かい線を引いたりなどが例として挙げられます。

画風とは?

画風は、特定の美術的なスタイルだったり、方向性のことを指します。作品全体の雰囲気やテーマ、視覚的な特性に関連していて、たとえば、印象派や抽象表現主義、リアリズムなどが代表的ですね。

なお、画風やスタイルについての解説やプロンプト事例は下記記事で紹介しています。よろしければこちらもどうぞ!

タッチの種類とプロンプト

それでは以下で画材ごとのタッチと、それに相当するプロンプトを挙げていきます。また、具体的な生成事例も合わせて紹介していきます。

アクリル絵具に関するタッチ

ブラッシュストローク (Brushstrokes)

  • 説明鮮やかな色彩で、かつダイナミックな筆遣いが可能です。
  • プロンプト:A vibrant acrylic painting with dynamic brushstrokes, combining short and long strokes for an energetic feel.

上記プロンプトを利用して、生成した画像が下記になります。このように、カラフルで大胆な筆運びの画像となっていて印象的です。

ドライブラシ (Drybrush)

  • 説明乾いた筆でざらざらとした質感を出す技法です。
  • プロンプト:A painting with a drybrush technique, creating a rough, textured surface with minimal paint.

生成した画像が下記で、これも髪の毛や服なんかは独特なざらつきを出しているかと思います。

油絵に関するタッチ

インパスト (Impasto)

  • 説明厚く塗り重ねる技法で、絵具を立体的に盛り上げる点に特徴が見られます。
  • プロンプト:”A painting with thick, textured brushstrokes, using impasto technique, creating a 3D effect”

グレージング (Glazing)

  • 説明薄く透明な層を重ねる技法で、色彩に深みと光沢が出てきます。
  • プロンプト:A painting with multiple thin, transparent layers of color, using glazing technique for depth and luminosity.

生成画像が下記で、透明感と深みを感じさせる画像になっています。

パレットナイフ (Palette Knife)

  • 説明ナイフを使って大胆に絵具を塗りつける技法です。テクスチャーが強調されます。
  • プロンプト:A painting with bold, textured strokes applied with a palette knife, creating a dynamic and rugged surface.

水彩画に関するタッチ

ウェットオンウェット (Wet-on-Wet)

  • 説明湿った紙に絵具を塗る技法で、色が柔らかく混ざり合うのが特徴です。
  • プロンプト:A watercolor painting using wet-on-wet technique, with colors softly blending together on a damp surface.

ウェットオンドライ (Wet-on-Dry)

  • 説明乾いた紙に絵具を塗る技法で、輪郭がシャープで明確になってきます。
  • プロンプト:A watercolor painting using wet-on-dry technique, creating sharp, defined edges on a dry surface.

グレーズ (Glaze)

  • 説明透明な色を薄く重ねることで、色調を調整します。
  • プロンプト:A watercolor painting with glazing technique, applying thin, transparent layers for subtle color shifts.

生成画像は下記です。髪や肌のグラデーションの掛かり方が滑らかで特徴があります。

パステル画材に関するタッチ

ブレンディング (Blending)

  • 説明指やブレンダーを使って色を混ぜ合わせ、滑らかで柔らかい質感を出す技法です。
  • プロンプト:A pastel artwork with blended colors, using fingers or a blender for a smooth, soft texture.

生成画像は下記です。かなり柔らかくて、優しい画像になっています。

ハッチング (Hatching)

  • 説明線を引いて陰影をつける技法です。
  • プロンプト:A pastel drawing with hatching technique, using parallel and cross-hatched lines for shading.

色鉛筆に関するタッチ

レイヤリング (Layering)

  • 説明複数の色を重ねて深みを出す技法です。
  • プロンプト:A colored pencil drawing with layered colors, creating depth and richness.

バーントオレンジ

  • 説明色を濃く塗りつぶす技法です。
  • プロンプト:A colored pencil illustration with burnished colors, applying heavy pressure for a polished look.

ストローク (Strokes)

  • 説明細かい線や点でディテールを描写する技法です。
  • プロンプト:A colored pencil artwork with fine strokes, detailing with precise lines and dots.

インクに関するタッチ

ハッチング (Hatching)

  • 説明線を重ねて陰影を表現する技法です。
  • プロンプト:An ink drawing with hatching technique, using overlapping lines for shading and texture.

下記が生成画像となっています。このように、強い陰影となるのが特徴的です。

スプラッタリング (Splattering)

  • 説明インクを飛ばしてランダムな模様を作成する技法です。
  • プロンプト:An ink artwork with splattering technique, creating random, dynamic patterns.

以下は、本プロンプトを用いて生成した事例です。このように周囲に飛び散ったインクが迫力を感じさせます。

ウォッシュ (Wash)

  • 説明:インクを水で薄めることで、柔らかい色調を作り出す技法です。
  • プロンプト:An ink drawing with wash technique, applying diluted ink for soft, gradient tones.

生成した具体例です。淡色で全体的に柔らかい印象を与えていますね。

グラファイト鉛筆に関するタッチ

シェーディング (Shading)

  • 説明滑らかに陰影をつける技法で、鉛筆の側面を用いることで均一な印象にしています。
  • プロンプト:A graphite pencil drawing with smooth shading, using the side of the pencil for even tones.

ハッチング (Hatching)

  • 説明線を使って陰影をつける技法です。
  • プロンプト:A graphite pencil sketch with hatching technique, applying parallel lines for shading.

スムージング (Smoothing)

  • 説明ティッシュやブレンダーでぼかし、滑らかな表面を作成する技法です。
  • プロンプト:A graphite drawing with smoothing technique, using a blender or tissue for a polished surface.

応用例:スタイルとの組み合わせ

タッチについては、スタイル・画風と組み合わせると作風の幅を更に広げることが可能です。例えば下記はパステルカラーを基調にしつつ、現実ではなさそうな組み合わせにて作成していますが、独特な雰囲気が出せているかと思います。こういった組み合わせを探していくのもAIイラストならではないでしょうか。

タッチに関してのまとめ

本記事では、AIイラストにおける各画材とタッチについて紹介してきました。タッチは絵柄全体を大きく左右する部分ですので、印象を決める重要な要素になります。これが自在に使いこなせると、テイストをさりげなく変えたりできるので、画像の奥深さを演出するうえでは結構有効かなと思います。


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